原作本に続き、映画のほうも観て来ました。原作とどうしても比べてしまいますが、かなり忠実に作ってあります。特にロケーションなんかは原作そのまんまの場所で撮っているのですよねえ。いきなり話がそれますが、この映画の舞台近くにかつて勤務先の研究所がありましたので、何か懐かしかったです。原作が秀逸なので、映画で追加した実験シーンや雪山登山シーンがことごとく不要なシーンになっているのは笑いました。冒頭の実験シーンはTV版のファン向けサービスだったのでしょうけど、それでも数学の試験のエピソードとか、一方の主役、堤真一演ずる教師石神の人物像を膨らませるシーンをもっと入れたほうがよかったのですが・・・。

追加された改悪シーンは兎も角、堤真一松雪泰子の演技は特筆モノでした。どう考えてもミスキャストに思える石神役の堤真一ですが、その演技は素晴らしく、存在感バツグン!でした。この人、本当に上手いですねえ。松雪泰子も良かったです。いかにも幸薄そうな雰囲気が色っぽくてクラクラしちゃいました。^^;美形だけに幸の薄そうな感じにも凄みがあります。

実質の主役は上の二人って感じで、福山&柴咲コンビはちょっと影が薄かったか。福山は結構雰囲気ありましたが、柴咲コウは完全に松雪泰子に喰われてしまいました。柴咲コウも美形だと思いますが、松雪泰子と比べると完全に女性としてのフェロモンが段違いな感じ。これは相手が悪かったですね。^^;

ごたごた書きましたが、映画の出来は悪くなく、原作のイメージをよく踏襲していると思います。同じようにTVドラマを映画化した「相棒」にかなり差を付けた感じでした。